目次
はじめに
高圧ガスは、産業から医療、研究まで幅広い分野で活用されており、その用途に応じて様々な種類やサイズの容器が存在します。高圧ガス容器の選択は、安全性や効率性を確保するために非常に重要です。本記事では、主な高圧ガス容器の種類とそれぞれの特徴、サイズについて詳しく解説します。
高圧ガス容器の種類
高圧ガス容器には、ガスの種類や使用目的に応じた各種容器が存在します。以下では、主要な容器タイプと特徴について解説します。
- シリンダー型容器
一般的な高圧ガス容器で、炭酸ガス、酸素、アルゴンなど多種のガスに対応します。再充填可能で、運搬も容易なため多用途に利用されています。 - 溶接容器(アセチレン容器)
溶接用のアセチレンガスを保存するための容器で、ガスの特性に合わせて特殊な構造になっています。アセチレンガスは非常に可燃性が高いため、容器内部に多孔質の物質を充填し、安定化した状態で保存します。一般的に、1.5Mpa前後の低圧で使用され、工業用途での金属溶接・切断に多く利用されます。 - カートリッジ型容器
小型で使い捨てが主流の容器です。軽量で持ち運びが簡単なため、キャンプなどの移動が多い場面や少量のガス使用に適しています。 - 液化ガス容器(デュワー瓶・シーベル)
液体窒素や液体酸素の保存に使用される容器です。断熱構造を備えていますが、気化による内圧の上昇を防ぐため、取り出し口が完全には密閉されていません。そのため、内部の液体ガスは時間とともに徐々に気化して減少し、長期保存には適していません。この特性から、デュワーフラスコは短期間の冷却用途や頻繁に液体ガスの取り出しが必要な場面に多く利用されています。 - LGC(超低温容器)
LGCは「Low Temperature Gas Container」の略で、液体酸素や液体窒素、液化炭酸ガスなど、超低温での保存が必要なガス用に設計された容器です。断熱構造により、液体の状態を長期間保つことができ、使用時には液体から気体へ自動的に気化するシステムが内蔵されています。これにより、使用者は安定的に気体として供給を受けられ、工場や研究施設での大規模利用に適しています。
高圧ガス容器のサイズ表
(一般的に流通している容器)
1.シリンダー容器(シームレス容器)
容積(L) | 外径(mm) | 高さ(mm) | 容器重量(kg) | 充填圧力(Mpa) | 試験圧力(Mpa) | ガス容積 O2/N2/Ar(㎥) | ガス容積 CO2 (kg) |
3.4 | 102 | 560 | 5 | 14.7 | 24.5 | 0.5 | 2.5 |
10.1 | 140 | 810 | 11.5 | 14.7 | 24.5 | 1.5 | 7.5 |
40.2 | 232 | 1190 | 46 | 14.7 | 24.5 | ― | 30 |
46.7 | 232 | 1340 | 53 | 14.7 | 24.5 | 7 | ― |
2. 溶接容器(アセチレン容器)
容積(L) | 外径(mm) | 高さ(mm) | 重量(kg) | 充填圧力(Mpa) | 試験圧力(Mpa) | ガス容積 (kg) | ガス容積 (㎥) |
3.6 | 190 | 205 | 3.6 | 1.5 | 4.9 | 0.6 | 0.5 |
12.5 | 221 | 439 | 9 | 1.5 | 4.9 | 2.1 | 1.9 |
24 | 232 | 694 | 15.5 | 1.5 | 4.9 | 4.2 | 3.8 |
41 | 259 | 952 | 26.5 | 1.5 | 4.9 | 7.2 | 7.2 |
3. 可搬式超低温容器(LGC容器)
容積 | 外径 | 高さ | 容器重量 | ガス容積 | |||
(L) | (mm) | (mm) | (kg) | LO2 | LN2 | LAr | LCO2 |
175 | 508 | 1559 | 110 | 168kg | 119kg | 201kg | 160kg |
132㎥ | 107㎥ | 127㎥ | ― | ||||
ガス供給量 | ガス取り出し継手 | ||||||
約20㎥/h | 34.5×6 右 | 30×6 右 | 26×6 右 | W22-14 右 |
4. 小型液化窒素貯蔵運搬用
容積(L) | 外径(mm) | 高さ(mm) | 容器重量(kg) | 充填時重量(kg) | 蒸発損失(L/day) |
5 | 265 | 460 | 3.5 | 7.5 | 0.32 |
10 | 335 | 550 | 6 | 14.1 | 0.43 |
25 | 435 | 650 | 13.5 | 34.2 | 0.58 |
まとめ
高圧ガス容器には用途や取り扱いの利便性に応じた様々な種類とサイズがあります。選定の際には、ガスの種類、必要な量、使用場所を考慮して最適なものを選ぶことが重要です。適切な容器を使用することで、安全性を確保しながら効率的なガス管理が可能になります。
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