ガス溶接を始めるためには資格が必要?

溶接する物の種類や、溶接方法によって資格はいくつかありますが今回はガスで溶接をする方向けに解説致します。

ガス溶接とは

ガス溶接とは可燃性ガスと酸素が結び付き、燃焼する際に発生する熱を利用して金属の接合を行う溶接方法です。
ガス溶接は、金属を溶かして接合する「溶接」という加工方法のひとつで、アーク溶接と並ぶ代表的な溶接方法です。

ガス溶接をする為には国家資格が必要!

可燃性ガスと酸素で、金属を溶接、溶断又は加熱する業務は、正しい知識を持たない者が行うと危険な事故につながりかねません。

これらの作業中に使用される装置の欠陥や作業方法の不適切などにより、大きな爆発や火災がしばしば発生しています。

そのため、作業に従事する際はそれぞれの講習・教育を受ける必要があります。

結論から言いますと…

ガス溶接技能講習を修了した資格者が
講習の修了証等を携行してなければ、行えません!
正確には、可燃性のガスと酸素を使って作業をする場合には絶対に必要な資格です!
根拠法令

労働安全衛生法 第 61 条-1
政令第 20 条 10 号
第41条「就業制限についての資格」
根拠法令の文面はコチラ

 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

労働安全衛生法第61条1項「就業制限」

可燃性ガス及び酸素を用いて行なう金属の溶接、溶断又は加熱の業務

労働安全衛生法施行令第20条10項「就業制限に係る業務

可燃性ガス及び酸素を用いて行なう金属の溶接、溶断又は加熱の業務

労働安全衛生法施行令第20条10項「就業制限に係る業務」

ガス溶接技能講習を受講すると、修了証が発行されます。
作業を行う際には忘れず常に携行しましょう!

厚生労働省が定めた講習ですので立派な国家資格です!と労働局からご回答をいただきました

そして国家資格が必要な危険な作業という事を忘れないようにしましょう!

ガス溶接作業主任者という国家資格も存在しています。

10本以上の集合装置等の可燃性ガスを使用してガス溶接を行う場合は『ガス溶接作業主任者』取得者を作業主任者に選任する必要があります!

ガス溶接技能講習を受講するには

労働安全衛生規則第 83 条 ガス溶接技能講習規程(労働省告示第 110 号)に基づいたガス溶接技能講習を修了しましょう!

学科・実技があり、2日に分かれて行われること多いようです。

各自治会で定期的にガス溶接技能講習資格取得講習会が行われているようなのでチェックしましょう!

また5年で修了証の期限は切れてしまうので、定期的にチェックしましょう!

まとめ

実際に厚生労働省の労働災害事例で掲載されていた事故で

(1)トーチに着火したところ溶接設備が爆発し、外国人労働者が全身火傷した事例

(2)ガス溶接技能講習を修了した後、約27年の経験を有している作業者の方でも、漏洩したアセチレンガスが爆発する事故を招いてしまった事例

等が掲載されていました。

(2)の事故については、床に置いてあったアセチレン溶断装置の吹管のバルブが緩んでいたため、漏洩したアセチレンガスが作業台の下部に溜まり、被災者が手持ち式のグラインダではつり作業を開始したそのとき、その火花が点火源となって爆発した事故でした。

その後、工場長と安全衛生推進者である製造部長は、直ちにアセチレンガス溶断装置の点検を行ったが、アセチレンガスボンベ、酸素ボンベ、圧力調整器、導管、吹管のバルブ等に漏れ等の異常は認められなかった。また、吹管は逆火防止の機能が付いていた。と報告されています。

対策として
[1] アセチレンガス溶断装置の吹管のバルブは、使用後はガス漏れのないよう確実に閉めること。
[2] 狭く通風の良くない場所でアセチレンガスによる溶断作業を行った後は、アセチレンガス溶断装置の吹管はそのまま置かず、通風の良い場所に移しておくこと。
[3] ガス溶接の作業標準を作成し、それを関係作業者に周知徹底すること。

と記載されていました。

講習を受けたから安全!免許を持っているから大丈夫!といったことはなく、講習や免許はあくまでも最低知識です。

大切なのは、常に危険意識をもって作業を行う事。

これからもみなさまに向けてガスの取り扱いについての危険性を周知してもらうために随時更新していきます!

疑問に思った事や、これから知りたいこと、などコメント欄を是非ご活用下さい!