LGC容器とは
Liquid Gas Containerの略で
液化酸素、液化窒素、液化アルゴン、液化炭酸などの高圧ガスを液体状で保管し、熱伝導がないよう内層、外層の2重構造の真空断熱容器です。
気体ガスで使用の場合、専用のフレキホースを蒸発器につなげ液体を気化させる必要があります。
圧縮された液体の状態で大量に保存出来るため、
シリンダーよりも大量のガスを消費でき、小スペース化、ガスの交換頻度の軽減ができます。
使用方法
- 容器の使用口に蒸発器入り口側のフレキシブルホースをしっかりと接続してください。
接続後、接続口に漏れがないか確認して下さい。 - 液体取り出し弁を少しずつ開いてください。
液化ガスは蒸発器に流れ込み通常のガスとなって、消費配管に送り込まれます。
この場合バルブを開ける際は全開にして開けて下さい。バルブの構図上シール性が向上します。 - 使用後はすべてバルブを閉じて下さい。
よくあるトラブル&対処法
夏場など気温が高い場合、長期間ガスを使用していない場合、使用量が少ない場合など
内圧がかなり上昇しますので、放出弁で強制的にガスを放出して圧力を下げる必要があります。
炭酸ガスの場合0.42Mpa以下になると、容器内でドライアイスが形成され、液化ガスを取り出すのが困難になります。
容器内圧力は1.0Mpa未満になるよう管理してください。
保圧弁が開いている場合は閉じて下さい。
直射日光にあてると容器内温度の上昇になります。
40℃以下で風通しのよい場所に設置して下さい。
機器類などから出る熱風が容器にあたったりすると圧力上昇の原因にもなります。
長期間ご使用されない場合、液体取り出し弁、保圧弁を忘れずに閉じて下さい。
使用量が通常より多い、瞬間的な使用量が大量の場合、容器内の圧力が下がってしまいます。
そうした場合、保圧弁を開くと、容器の外層内側真空部に組み込まれている保圧コイル管に液体が流入し、液が気体に変化し内層上部に戻される事で内圧が上昇します。
ただし、容器の設定圧力までしか上昇しません。
圧力が足りない場合、さらに調整器の圧力設定を確認し、ガスが空ではないかも確認してください。
消費が少なくなった場合は保圧弁を閉めて下さい。
開いたままですと、容器内圧力が不必要に上昇し、内層安全弁よりガスが放出されてしまいます。
・ボンベ付近5m以内には火気厳禁とし発火性や引火性の物質を取り扱わないで下さい。
・チェーンなどで転倒防止の措置を行って下さい。
・空容器についてはすみやかに購入業者へ容器を返却して下さい。
・お盆休みやお正月休みなど長期間使用されない場合、放出弁を開き、ガスを放出して、できるだけ容器内の圧力を下げて下さい。
(放出前換気ができている事、周りに火気が無い事を確認して下さい。)
各弁について
- 節約弁
容器内圧力が設定した圧力より高い時、この弁が作動して容器の圧力を下げる働きをする調整弁です。 - 保圧調整弁
容器内圧力が、設定した圧力まで上げる働きをし、この弁によって容器は設定圧力を保ちます。 - 保圧弁
開くと容器内の圧力が上昇しますが、保圧調整弁の設定圧力以上には上昇しません。
保圧弁を開けたままの状態で、ガスの使用を止めたり、使用量を急激に少なくすると、容器内の圧力が常に上昇してしまい、圧力が高い状態が続いてしまいます。 - 上部(頂部)充填弁
容器の頂部より液化ガスを充てんする時に開きます。使用量が少ない場合、このバルブを開いてガスを使用する事も出来るのですが、圧力が下がって出てこなくなる可能性があります。また、液化炭酸の場合には圧を下げすぎるとドライアイスになってしまいますので注意が必要です。 - 液体取出弁
液化ガスを使用する時に使用します。また、容器の底部より液化ガスを充てんする時に開きます。 - 放出弁
容器のガスを放出する為の弁です。容器内の圧力を下げる場合に使用します。 - 内槽安全弁
容器の気相部に取付けられており、長時間使用しない場合などによる容器の圧力が上昇した時に作動して容器内のガスを放出します。大きな音が鳴り響き、液化ガスの低温で白く霜が付き凍ります。容器の異常などではございません。 - 破壊式安全弁
こちらも容器の気相部に取付けられており、長時間使用しない場合、容器の圧力が上昇した時に作動して容器の安全を保ちます。通常は内槽安全弁が作動しますが、何かで作動しなかった場合、この安全弁が作動します。一度作動すると圧力が0Mpaになるまでガスを放出します。そのまま放っておくしかありません。中にある薄い板が破裂した状態ですので、放出後板の交換作業を行います。 - 液面計
浮子式で表示筒に液量を指示するようになっております。稀に液面を正確に表示していない時があります。容器を斜めに傾けて、ゆらすと、引っかかっていた場合など、液面のシグナル位置がかなりさがってしまう事があります。液面計表示は液体が入っている事になっておりますが、実際無い場合もございますので、残量確認時に少しゆらして見て下さい。構造上どうしても起こりうる症状です。 - 外層安全弁
内槽、外層の破壊、内層漏洩で真空が破壊された場合破壊版が作動してガス又は液を放出し容器の破壊を防ぎます。
まとめ
LGC容器(Liquid Gas Container)は、液化酸素、液化窒素、液化アルゴン、液化炭酸などの高圧ガスを液体状態で保管するための真空断熱容器であり、内層と外層の二重構造で、熱伝導を最小限に抑え、圧縮された液体ガスを大量に保存できます。
使用時には、専用のフレキシブルホースを蒸発器に接続し、液体を気化させて使用します。使用後は必ずバルブを閉め、容器内圧力の管理を徹底してください。
圧力が上がりすぎた場合は放出弁で調整し、逆に圧力が不足する場合は保圧弁を開けて調整します。
火気厳禁や転倒防止措置を守り、安全に取り扱うことが重要です。また、長期間使用しない場合は、ガスを放出し容器内圧力を下げる必要があります。各弁や液面計の管理を適切に行うことで、容器の安全性を保ちます。